私の実の父は妻子があったため,私の母はいわゆる未婚の母として父との間に生まれた私を育ててくれました。先日,父が亡くなったと聞きました。私も父の子どもとして相続をすることができないのでしょうか?

結婚していない男女,つまり婚姻届を出していない男女の間に生まれた子は「非嫡出子」といいますが,非嫡出子は父親に「認知」されないと,法律上父の子とは認められず父の相続権もありません。

父が認知をしてくれない場合であっても,父の死亡の日から3年以内であれば子が認知の訴えを起こして裁判所に親子関係を認めてもらうことができます。

認知されることで,出生の時に遡って,非嫡出子として父との親子関係や相続権が発生することになります。非嫡出子の相続分は,嫡出子の相続分の2分の1になります。

父の死後に認知された子がいたことが明らかになった場合,遺産分割がまだ終わっていなければ,その認知された子も含めて相続人全員で遺産分割協議をする必要があります。

また,父の死後に裁判による死後認知がなされたような場合には,他の相続人が認知された子がいることを知らずに遺産分割協議を行って,遺産分割が終了している事もあります。

このような場合には,遺産分割のやり直しは行われず,認知された子の相続分に応じた価値にあたる金銭の支払を請求できることになります。