法定代理人(ほうていだいりにん)

法定代理人とは,法律によって代理権が発生する代理人の事です。本人の意思によってではなく,法律によって代理権を与えられる制度で,本人の保護を目的とするものです。

法定代理人は2つに大別されます。

まず,本人に対して一定の地位にある人が,法律により当然に代理人になるものです。例えば,未成年者に対する親権者(民法818条,824条)がこれにあたります。

次に,裁判所などが指定・選任して代理人になるものがあります。例えば,成年被後見人(民法9条)に対する成年後見人(民法843条,859条)です。その他に,裁判所が選任した不在者財産管理人(民法26条),相続財産管理人(民法918条第3項)もこれに該当します。

また,裁判所の審判により,保佐人補助人にも特定の法律行為について法定代理権が付与されることがあり(民法876条の4第1項,876条の9第1項),この場合,保佐人や補助人は審判で与えられた権限の範囲内で法定代理ができます。